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1.第一章
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1995-06-18
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9KB
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158 lines
第一章 基本コンセプト
「序章 真木俊雄氏の給料日」いかがでしたでしょうか。あれでだいたいのと
ころはご理解いただけたと思いますが、ここではより詳しく、『家計簿スタッ
ク』作成上の理念(う、たいそうな言葉だなぁ(^^;))及び『家計簿スタッ
ク』で使用している言葉の意味を説明します。別にこんなことは知らなくても
ある程度は使えますが、これを知っておいていただけると、より一層便利に使
えるというものです。
一 家計簿をつける目的
さて、それではそもそも何のために家計簿をつけるのでしょうか?収支の記
録?まぁ、確かに家計簿をつけるというのは収支の記録をすることですが、そ
れ自体が目的なんですか。倹約のため?そんなに倹約してどうするんです。あ
の世とやらまでお金を持って行くわけにはいかないんですよ。え?あぁ倹約し
て PowerPC Duo が買いたい、と。そう、それが正解です。一般的な言い方を
すれば、お金をどう使うかを考え、『夢を実現するため』というのが家計簿を
つける目的です。
ところで、今あなたの『自由に使えるお金』はいくらありますか?
「え〜っと、財布の中に○○円、銀行口座に××円、それから会社の机の引出
しに...」。
はい、はい。しかし、それを全部好きなように使えるわけではな
いでしょう。家賃は払いました?電気代は?ガス代は?電話代とか、その他必
ず支払わなければならないものというのがいくつもあるでしょう。ですから、
そういったものを差し引いた金額こそが、今あなたの『自由に使えるお金』な
わけです。これをしっかり把握するだけでもずいぶんとお金の使い方が変わり
ます。給料日前にこれらのお金の取立にあって、お金を使い切ってしまうとい
うようなこともなくなるはずです。これらのお金はだいたい毎月決まった金額
を支出することになるので、『家計簿スタック』ではそれを『月例処理』とし
て記録しておきます。真木俊雄氏が序章でやっていたように、『繰越』処理の
ときに『月例処理』を転記させて、それから『集計』を行なえば、収入からそ
れらの支出が差し引かれた金額が自動的に計算されますから、それがその月の
『自由に使えるお金』なわけです。さらに、何かを購入するために貯蓄をする
というのであれば、毎月いくら貯蓄に回さなければいけないかを考え、それを
『貯蓄目標額』(*1)として記録しておけば、それを差し引いた金額も計算して
くれますから、それが『自由に使えるお金』ということになります。
さて、もう一つの難問がクレジットカードの問題です。クレジットカードで何
か購入した場合に、実際にその代金を支払うのは翌月以降になるので、その間
は財布の中身にも銀行の口座にもそのことが反映されないことになります。そ
のことをうっかり失念してクレジットカードであちこちから高額な買い物をし
たりすると、その代金が口座から引き落とされるときになって青くならなけれ
ばなりません。へたをすれば、カード破産というようなことにもなりかねませ
ん。そこでクレジットカードを使った場合にそれをどう反映させるかですが、
『家計簿スタック』では将来予定されている収支を『出納帳B』(*2)に記録し
て、それらが実際に支出されたら口座の残高がどうなるかを『将来の口座残高』
(*3)として示すことで対応しています。また、『集計』を行なった場合には、
今月分の支出は『通常支出』または『特別支出』として計上され、それ以後の
分は『来月以降』の欄に集計されます。それらの表示を参考にして、使いすぎ
ないように注意して下さい。
「ん〜?こんなんだったら何も収支をいちいち記録しなくても、毎月決まって
いる支払の額とクレジットカードの利用だけを記録すればいいんぢゃない
の?」
はい、これまでのところでは収支の記録をつける必要性はありません。まぁ、
『家計簿スタック』の意味を否定するようなものですが、給料日に、毎月決っ
て支払わなければならない金額を給料から差し引き、またクレジットカードに
ついてはちゃんと利用控えを取っておいてその合計額を計算してみるというこ
とで以上のことは実現できます。しかし、積極的に一定のお金を貯めようと
思ったときに、単に「これから毎月○○円づつ貯めるぞ〜!」と決心してもな
かなか実行は容易ではありません。自分の実際の収支の状況をしっかりと把握
し、特にどういったことにいくら使っているのかを認識した上で、実現可能な
倹約・貯蓄計画を立てるべきです。そのための機能は『家計簿集計スタック』
にあります。『繰越』処理のたびにデータを『家計簿集計スタック』に転送し
ておいて、数カ月経過したところで『長期集計』を行ないます。そしてその次
のカードで『平均計算』を行なうことで、項目ごとに毎月平均でいくら支出し
ているかが算出されます。それを元に、あるいはさらに次のカードで『検索』
を行なってさらに細かく何に支出しているのかを把握した上で項目ごとの予算
を立てるならば、かなり実行可能性の高い予算を立てることが可能になるで
しょう。このように将来の計画を立てるための資料とするために、日々の支出
の記録を取ることが必要なのです。
二 用語説明
1.『区分』、『支出』・『収入』・『移動』・『特別支出』・『特別収入』
入力カードで日付のすぐ右、家計簿記載の際に最初に選択するのが『区分』で
す。
『支出』・『収入』については問題ありませんね。
『移動』は、『支出』でも『収入』でも無い単なるお金の移動、例えば『口
座』からお金を『引き出し』た場合や、何かの都合で『立て替え払い』をした
場合などです。『集計』の場合にはこれらは基本的に無視されます。
『特別支出』・『特別収入』は毎月の通常の『支出』・『収入』以外の『支
出』・『収入』を差します。つまり、基本的にサラリーマンを念頭に作成して
いますので、毎月の月給が『収入』になりますが、ボーナスや利息などは『特
別収入』となり、また「ボーナスで Macintosh を買っちゃった(^^)」などと
いうのが『特別支出』になるわけです。このような『特別収入』・『特別支
出』は毎月の『収入』・『支出』とは区別して予算を立てたり、集計したりし
た方が分かりやすくなるので、『区分』で分離してあるわけです。なお、『特
別支出』・『特別収入』の『項目』・『細目』は『支出』・『収入』の『項
目』・『細目』がそのまま流用されます。
2.『支出』・『収入』の『項目』・『細目』
『項目』・『細目』はそれぞれ8つまで設定できます。特に説明はいらないか
もしれませんが、あまり細かく設定して『家計簿』をつけるたびに分類に悩む
ようでは困りますので大雑把に設定しておいた方が良いでしょう。また、生活
実態に合わせて設定することも大切です(もちろん、生活の仕方が変わったと
きには、それに合わせて『項目』・『細目』も変更するわけです)。例えば、
近所のスーパーで食料品と日常雑貨を合わせて購入し、そのレシートが1枚で
あるということが多ければ、そのような食料品と日常雑貨を合わせて記入でき
る『項目』・『細目』を設定すべきです(『項目』=「日常生活費」、『細
目』=「スーパー○○」など)。それと特に注目して集計したい事項があれ
ば、それに合わせて『項目』・『細目』を設定するということも考えられま
す。例えば、『家計簿スタック』の初期設定(つまり、ワタシが実際に使用し
ている設定)では『項目』として「パソコン」というのを設定していますが、
これはパソコン関係にいったいどれだけのお金を使っているのかをしっかり把
握したいと考えて付け加えているものです(もちろん、「文具」や「娯楽」と
いった分類になじみにくいという理由もありますが)。また、「食費」という
『項目』の中に『細目』として「中食」というのを設定してあります。これ
は、できあいの弁当やサンドイッチなど、買ってきてそのまま食事にしてしま
うものを差します。一人暮しのせいかそういう食事が多いようなので、それが
どの程度の割合を占めているのかチェックしてみようと思って、付け加えまし
た。
三 予算について
『家計簿スタック』では『項目』ごとの予算をたて、さらに予算から実支出額
を差し引いた残額を表示します。
さて、その予算をどのように設定するかについてですが、前にも書きましたよ
うに実行できないような予算を立てても意味がありませんので、家計簿をつけ
初めて3カ月くらいたって、その間の実際の支出の状況などを見た上で、予算
を考えた方が良いでしょう。また、支出の節約を考えるような場合には、少々
大変ですが、具体的な品目も記録しておいて、家計簿スタックや家計簿集計ス
タックの『検索』機能を利用して特定の『項目』に該当する支出の一覧を表示
し、不要だったり、ムダだったりした支出をチェックしてみましょう。そし
て、それを参考に、実行可能な節約型予算を立てるわけです。
しかし、以上のようにして予算を立てたとしても、その予算にがんじがらめに
縛られて生活を楽しめないようでは本末転倒です。予算はしょせん一つの目安
にすぎないわけですから、ちゃんとした理由があれば柔軟に予算を越えた支出
も考慮するべきです。家計簿スタックでは、『特別支出』というかたちで毎月
の予算にとらわれない支出を扱うことができます。また、「今月は衣料費を重
点項目としよう」というように月ごとに特定の項目の予算を多くして他の項目
の予算を減らすとか、あるいは先月支出の多かった項目の予算を今月は少なく
するというように、予算を目安にしながら柔軟に対応することも考えられるで
しょう。そんなふうに「柔軟に」やってたのでは予算を立てた意味がないと思
われるかもしれませんが、予算を越えるような支出をする場合には、必ずその
支出が本当に予算をオーバーしてまで支出する理由のあるものなのかどうかを
意識的に再検討することによって、漫然と赤字家計になってしまうような事態
を防ぐことができると思います。
また、予算は、それ以上の金額を支出するには一考を要するという意味もあり
ますが、逆にその金額までなら支出してもかまわないという意味も持つわけで
す。とにかく安い物をというような買い方をするのではなく、予算に余裕があ
るのであれば、予算の許す範囲でできるだけ良い物を買うというような、予算
の逆用も考えて下さい。
脚注
*1 ちょっとわかりにくいですが、『貯蓄』と書かれたフィールドのすぐ右に
あるのが『貯蓄目標額』です。フィールドにロックはかかってませんので
自分の決めた金額を記入して下さい。
*2 『出納帳B』に記載された内容は、記載された日付以降に『家計簿スタッ
ク』を開いたときに自動的に『出納帳A』に転記されます。
*3 『入力カード』では『出納帳B』の下に次の繰越日の口座残高がポップアッ
プ形式で表示されます。次の繰越日を越えて、さらに将来の口座残高を見
たい場合は『口座一覧カード』で見ることができます。